ニチハの屋根材「パミール」は不良品?見分け方や問題の多い他のスレート屋根を紹介!
「そもそも自宅の屋根材はニチハのパミールなのだろうか」
「10年ほどで不具合が見られたが、どのように補修すべきなのだろう?」
など、さまざまな疑問を抱えているのではないでしょうか。
そこで今回は、ニチハのパミールとは何か、見分け方やメンテナンス方法について解説します。また、ニチハのパミール以外に不具合の見られやすい外壁材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ノンアスベスト屋根の問題
住宅の屋根材にはさまざまな種類があり、中でも「スレート」は耐震性や遮音性が高く、安価であることからコストパフォーマンスの高い屋根材として人気です。
スレートは以下の2種類に大別できます。
- 天然スレート:天然石を薄い板状に加工する
- 化粧スレート:セメントと繊維材料を混ぜて板状にする
天然スレートは資源の調達がむずかしく価格が高いことから一般住宅ではほとんど採用されていません。そのため、住宅の屋根材を指すスレートといえば、化粧スレートのことを指します。
スレートは1930年ごろから住宅の屋根材として普及し始め、当時はセメントのつなぎ材としてアスベストが使用されていました。しかし、アスベストの健康被害が指摘されるようになったため、1970年ごろから段階的に規制が始まり、2006年にはアスベスト製品の製造・販売が全面的に禁止となりました。
ただ、アスベストは耐久性に優れており、屋根の原材料としては優れた素材でした。アスベストの規制が始まった時代は製造技術が進歩していなかったこともあり、アスベストを使わない、いわゆる「ノンアスベスト」のスレート屋根は、耐久性が低く不具合が発生しやすいまま販売されることになったのです。
ニチハのパミールが販売された時代背景
スレート屋根が普及し始めたころは、スレート屋根といえば「クボタ」と「松下」の2社が有名でした。
そこでニチハは、アスベストの規制に合わせていち早くノンアスベストの屋根材の開発・製造に着手することで他社との差別化を図ろうと、パミールを製造・販売したという時代背景があります。
実際にニチハのパミールは1996年から2008年の12年間にわたり販売されており、アスベストの規制に合わせていち早く販売がスタートしていることがわかります。
不良品が製造された背景
粘着性が高く、屋根材の原材料としては優秀な素材であったアスベストの代替品として、パミールには「パルプ繊維」がつなぎ材として用いられました。
パルプ繊維は竹や草などの自然素材から抽出するため安全なのは間違いありませんが、吸水性が高いというデメリットがあります。屋根は雨の影響を直接受ける箇所であり、「吸水性が高い=劣化が早い・不具合が生じやすい」ということになります。
しかし、規制がスタートする前に、アスベストに変わる代替品を開発できなかったこと、さらに長期間にわたる耐用年数の検証が不十分なまま発売され、結果的に短い年数で数多くの不具合が報告されることになったのです。
また、アスベストの規制がスタートした1990年代初めごろに製造・販売されたノンアスベストのスレート屋根は、ニチハのパミールのほかにも不良品が数多くあります。ただし、パミールの不具合の報告が多かったことから、「ニチハのパミール=不良品」という認識が強くなっています。
なお、2000年代前半からは品質改良されたノンアスベストのスレート屋根が販売されるようになっています。
ニチハのパミールに見られる不具合とは?特有の症状もある
ニチハのパミールはどのような不具合がみられるのかご存じでしょうか。
経年劣化などで一般的な屋根材にもみられる症状もあれば、パミール特有の不具合もあるため、一つひとつ解説していきます。先端の変色
層間はくり
釘の腐食
ひび割れ
自宅の屋根材がニチハのパミールか見分ける方法
「自宅の屋根材の種類がわからないが、パミールを採用している気がする」
といったように、自宅の屋根材がパミールかどうかわからない方もいるでしょう。
パミールは「先端の凹凸」に注目すると簡単に見分けられます。スレート屋根はデザインが似ているので見分けにくいですが、パミールは屋根の先端部分が凹凸になっており、さらに凹凸の幅が均等になっています。
自宅の屋根を見てみて、2008年までにスレート屋根を施工しており、なおかつ先端が均等に凹凸型になっているならパミールである可能性が高いでしょう。
リコールは可能?ニチハの対応とは
スレート屋根は本来なら20年程度の耐用年数が期待できますが、パミールは施工から10年前後で数多くの不具合が報告されています。
しかし、ニチハは「パミールの不具合は経年劣化によるものである」という見解を示しており、リコールには対応していません。ただ、全く何の対応もしていないわけではないので、詳しく解説していきます。
釘のリコール
ニチハはパミールの不具合に対して、「アルマ」を使ったカバー工法を提案
ニチハはパミールの不具合に対して、「アルマ」を使ったカバー工法を提案しています。
アルマとは、ニチハのアスファルトシングルのことであり、アスファルトでできたシート状の屋根材を指します。自社製品を用いてカバー工法でメンテナンスすることを推奨しており、こちらの材料・方法でメンテナンスを行う場合は材料を無料支給しています。
ただ、施工費や足場代など材料費以外の費用は負担してもらえません。
また、アスファルトシングルはスレート屋根や金属屋根と比較すると性能が高くないため、アルマを採用するべきか慎重に判断しましょう。
パミールの最適なメンテナンス方法
自宅の屋根材がパミールである場合、販売当初に施工している場合は20年以上、販売終了間際のときに施工しているなら10年以上経過しており、いずれにせよパミールならメンテナンス時期に突入しています。
ここでは、パミールの適切なメンテナンス方法を解説します。
不明な点等ございましたら、お気軽にご相談くださいね(^^♪
カバー工法
パミールのメンテナンスでおすすめなのが、カバー工法です。
カバー工法とは、もともとある屋根材の上から新しい外壁材を重ねる工法のことです。既存の屋根材であれば1枚の状態ですが、カバー工法を行うことで2枚の屋根材が重なっている状態になります。
パミールを含むスレート屋根が軽量であることから、カバー工法を行っても住宅そのものに大きな負担がかからず、耐震性・耐久性に問題がありません。また、既存の外壁材を撤去したり、撤去した外壁材を処分したりする費用がかからないため、葺き替えよりも費用を抑えやすいのが魅力です。
ただし、パミールの劣化が激しく、屋根材の下にある下地材が傷んでいる場合などは水分を閉じ込めてしまい、住宅が傷む原因となるためカバー工法が行えません。葺き替え
すでに雨漏れが発生している、下地材まで傷んでいるといった場合、葺き替えを行いましょう。
葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を取り付ける工法のことです。屋根材だけでなく下地材も補修・交換するため、屋根をまるごと交換するイメージであり、劣化症状をリセットできるのが特徴です。
なお、屋根材の種類を変更することも可能であるため、イメージや色合いをがらりと変えられます。
ただ、葺き替えは既存の屋根材を撤去・処分するなどで工数がかかるため、カバー工法よりも高額になりやすいのが懸念点です。
屋根塗装は避けるべき
スレート屋根をはじめとする一般的な屋根材なら、屋根塗装を行ってメンテナンスするのが一般的です。
しかし、屋根塗装は何層にも塗料を重ね塗りすることで塗膜を形成し、塗膜によって雨風の侵入や紫外線によるダメージを防ぐものです。そのため、屋根材自体がパイ生地のように剥離してしまうパミールには無意味なメンテナンス方法です。
屋根塗装をしても時間が経てば屋根材ごと剥離してしまうため、「カバー工法」か「葺き替え」によるメンテナンスを行いましょう。パミール以外の問題の多いスレート屋根材
1990年から2000年ごろ、アスベストを含む屋根材からノンアスベストの製品に切り替えが行われていた時代に販売されたスレート屋根は、パミール以外にも不具合が確認されています。
ここでは、パミール以外の問題の多い屋根材を解説します。メーカー:ケイミュー(旧クボタ) 商品名:コロニアルNEO(ネオ)
メーカー:ケイミュー(旧クボタ) 商品名:アーバニーグラッサ
メーカー:松下電工株式会社 商品名:レサス
メーカー:松下電工株式会社 商品名:シルバス
メーカー:積水屋根システム株式会社 商品名:セキスイかわらU
なお、今回紹介した屋根材のほか、ノンアスベストの製品が販売され始めた1990~2000年前半に販売されていたスレート屋根は多くの不具合が確認されています。同時期にノンアスベストのスレート屋根を採用している場合は、一度専門業者に点検を依頼し、症状が悪化する前に適切なメンテナンスを行いましょう。
埼玉県で屋根材の不具合にお悩みの方は「街の屋根やさん」にご相談ください!
今回はニチハのパミールを中心に、不具合が起こりやすいノンアスベストのスレート屋根が製造・販売された背景や症状などを解説しました。
不具合が発生したノンアスベストのスレート屋根は、屋根材自体の強度が不足していることもあり、屋根塗装によるメンテナンスができないケースが多くなっています。
埼玉県でニチハのパミールを始めとする屋根の不具合でお悩みの方は、ぜひ一度「街の屋根やさん越谷店」にご相談ください。
街の屋根やさん越谷店では、埼玉県越谷市を中心に、埼玉県全域で屋根工事・リフォームに対応しており、徹底した無料点検を実施したうえでリフォームプランを提案いたします。
ぜひ今回の記事を参考に、大切な住まいを守る方法を検討してみてください。
パミールカバー工法施工例
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