住宅の外壁材にはどのような種類がある?特徴や選び方、メンテナンス方法について解説
外壁は住宅の第一印象を決める重要なポイントであると同時に、雨風や紫外線から住まいを守る役割も担っています。そのため、外壁材はデザイン性だけでなく、耐久性やメンテナンス性などもチェックしたうえで選ぶことが大切です。
ただ、ひとえに外壁材といってもさまざまな種類があり、「よくわからない……」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、外壁材の種類や特徴、メンテナンス方法などを解説したうえで、おすすめの選び方も紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
住宅における外壁の役割
外壁が住宅にとって欠かせないものですが、役割といえば一目に入る場所なので「デザイン性」を思い浮かべる方も多いでしょう。
もちろん、家の前を通りがかる人がまず目にする箇所であるため、住宅の第一印象を決める要素といっても過言ではありません。ただ、デザイン性のほかにも以下のような役割があります。
【外壁の役割】
防水 |
住まいに雨水が侵入するのを防ぐ。 |
防風 |
住まいに風は入り込むのを防ぐ。気密性を高める。 |
プライバシー保護 |
居住者のプライバシーを守る。 |
遮熱 |
熱の出入りを遮り、室内の快適な温度を保つ。断熱性を高める。 |
遮音 |
室内に伝わる音や室内から出る音を遮り、快適な空間を維持する。 |
このように住宅の外壁はデザイン性のほかに複数の役割を担っており、快適な居住空間を維持するには重要な存在であることがわかります。
外壁材にはどのような種類がある?特徴とメリット・デメリットについて
ひとえに外壁材といってもさまざまな種類があります。
ここでは、住宅の建材として用いられることの多い7種類の外壁材について、特徴やメリット・デメリットを解説します。
窯業系サイディング
日本サッシ協会が実施する2022年3月版「住宅用建材使用状況調査」によると、一戸建てで使用される外壁材のなかで「窯業系サイディング」がシェア77.6%を占めています。
圧倒的なシェア率を誇っていることから、外壁材の主流といえる窯業系サイディングは、セメントに繊維を混ぜ合わせて型に流し込んで板状に成形し、高温で焼き上げて作られています。
窯業系サイディングは色やデザインのバリエーションが豊富で、10年に一度を目安に外壁塗装をすれば状態を維持しやすいことに加え、価格が安いといったメリットがあり、コストパフォーマンスに優れていることから人気です。
ただし、メンテナンスフリーではないこと、本物のタイルやレンガに比べると質感が劣るといった点はデメリットといえるでしょう。
モルタル外壁
モルタル外壁とは、セメント・水・砂の3つの素材を混ぜ合わせ、仕上げに左官や塗料の吹き付けを行うことで外壁を形成するのが特徴です。
窯業系サイディングの人気が高まる前の1990年代においては最もシェア率の高い外壁材でしたが、現在では7.6%までシェア率が減少しています。(参考:2022年3月版「住宅用建材使用状況調査」)
ただ、シェア率が減少しているとはいえ根強い人気があり、左官仕上げで味のある外壁にしたり、塗料を吹き付けて凹凸のある外壁に仕上げたりと、デザイン性の高さが魅力です。そのほか、防火性が高い、継ぎ目がなくコーキングが不要なので耐久性に優れているといった点もメリットといえます。
ただし、ひび割れが発生しやすい、下地の処理がむずかしく基本的に新築のときしか採用できないといったデメリットがあります。
金属サイディング
先に解説した窯業系サイディングのほか、サイディング外壁にはいくつか種類があります。金属系サイディングもサイディング外壁の一つであり、シェア率は約9%となっています。
金属系サイディングは、アルミニウム・鉄などの金属を成形・加工し、断熱材で裏打ちしたものを指します。
素材によって金属サイディングの中にも種類があるものの、軽量で地震に強く耐用年数が長いほか、凍害に強いといったメリットがあります。また、カバー工法によるリフォームができるので、窯業系サイディングから金属サイディングへリフォームする方も多くいます 。
将来的に外壁材が劣化した場合でも、張り替えより費用を抑えつつリフォームが可能です。
ただし、窯業系サイディングに比べると価格が高く、デザインも少ないというデメリットがあります。また、防音性が低く傷つきやすいことも懸念点といえるでしょう。
ALC外壁
ALCとは、「Autoclaved=気泡の入った」「Lightweight=軽量の」「Concrete=コンクリート」の頭文字を取った略語で、日本語で表現すると「気泡の入った軽量のコンクリート」となります。
生石灰やセメント質に発泡剤を加えて型に流し込み、蒸気窯に入れて数時間かけて固めるのが一般的な製造工程です。
耐久性が高いうえに耐火性や断熱性を兼ね備えており、軽量なので構造躯体に負担がかからず耐震性の高い住まいを実現できます。さらに、遮音性や調湿機能もあり、多機能な外壁材といえます。
ただし、耐水性がないのが大きな弱点といえます。外壁塗装などで丁寧に防水処理をしていなければ、無数の小さな穴がスポンジのように水を吸収してしまいます。防水性が切れると劣化する原因となるため定期的なメンテナンスが必要であるほか、初期費用が高額になるのも注意点です。
タイル外壁
タイルは土や石を1,000℃以上の高温で焼き固めて作られた外壁材です。
土や石は無機質であり、水や紫外線などの影響を受けてもほとんど劣化しません。そのため、外壁材として採用しても劣化が起こりにくく、メンテナンスの手間も少なくて済みます。また、自然の素材で形成されているので、上質で高級感のある印象にできるのも魅力です。
ただ、タイルは素材自体が高額であり、さらに手作業で一つひとつ張り合わせていくため人件費がかかって施工費用も高くなりがちです。初期費用は窯業系サイディングと比較すると約1.5倍の価格になるため、費用負担が大きいのが最大のデメリットでしょう。また、レンガ自体はほとんどメンテナンスが不要ですが、レンガの周りに施工されるコーキングはメンテナンスが必要です。
コンクリート外壁
コンクリートは「水・セメント・砂・砂利」を混ぜ合わせたものであり、外壁材として採用するとスタイリッシュで都会的な印象になることで根強い人気があります。
コンクリート外壁は耐震性が高く耐火性や遮音性に優れており、何よりほかの外壁材にはないスタイリッシュで無機質な印象になるのがポイントです。
ただ、コンクリート外壁は工期が長く、初期費用も高額です。また、リフォームしにくいこと、10~15年に一度を目安に撥水剤などを塗装する必要があり、メンテナンスが欠かせないことは懸念点といえるでしょう。
その他の外壁
これまでに解説した外壁材のほか、レンガや木質系サイディング、樹脂系サイディングなどの外壁材も存在します。
同じ外壁材でも種類によって見た目やカラーバリエーション、価格、メンテナンス性、機能などが異なるため、複数のポイントをチェックして外壁材を選ぶようにしましょう。
外壁材の種類を選ぶポイント3選
外壁材の種類や特徴について理解できたものの、どのように選ぶべきかわからない方も多いでしょう。
外壁材を選ぶときは以下の3つのポイントをチェックすることが大切です。
- 価格
- 耐久性
- デザイン性
一つひとつ解説していきます。
価格
外壁の材料代だけに注目するとモルタルが安価ですが、手作業で施工しなければならず人件費がかかるので、最終的にかかる施工費用が安いとは言い切れません。
そのため、材料費は安くないものの、施工しやすい窯業系サイディングが価格面では優れているといえるでしょう。窯業系サイディングは外壁塗装によるメンテナンス性が必要であるものの、メンテナンスをすれば長く状態を維持でき、初期費用も抑えられるのでコストパフォーマンスの高い外壁材だといえます。
また、材料費は高めですが、耐用年数やメンテナンス性、機能性、デザイン性などを考慮するとALCパネルやタイルもコストパフォーマンスは悪くない外壁材です。
価格面を重視する場合、初期費用を抑えたいのか、将来的にかかるコストも含めて最も安価なものを選びたいのかを決めておくと選びやすくなるでしょう。
耐用年数
外壁材の耐用年数も注目すべきポイントの一つです。ただ、外壁材の耐用年数は定期的にメンテナンスを行った場合に期待できる年数であるため、メンテナンスせずに放置してしまうと耐用年数が短くなります。
外壁材ごとの耐用年数と必要なメンテナンスは以下の通りです。
種類 |
耐用年数 |
必要なメンテナンスとメンテナンス周期 |
窯業系サイディング |
30年 |
塗装・シーリング補修 7~10年 |
モルタル |
30年 |
塗装 5~10年 |
金属系サイディング |
40年 |
塗装・シーリング補修 10~15年 |
ALCボード |
60年 |
塗装・シーリング補修 10~15年 |
タイル |
40年 |
シーリングの補修など 10~15年 |
コンクリート |
60年 |
塗装 10~15年 |
最も耐用年数が長いのはALCパネルで、定期的なメンテナンスをすれば60年ほどの耐用年数が期待できます。なお、モルタルはほかの外壁材よりもメンテナンス周期が短めなので、メンテナンスコストがかかりやすいといえます。
デザイン性
外壁材の種類によってデザイン性が大きく変わります。
窯業系サイディングはセメントを成型して作るのでさまざまなデザインがあり、色のバリエーションも豊富です。モルタルは職人が手作業で塗装や塗料の吹き付けを行うため、特有の風合いを演出できるでしょう。
そのほか、無機質で都会的な印象になるコンクリート、自然素材ならではの上質さを演出できるタイルなども魅力的です。
デザインは人それぞれ好みが異なるため、どのような家にしたいかイメージしておくといでしょう。
外壁材の種類の見分け方
自宅で採用している外壁材の種類がわからない方も一定数いるでしょう。
外壁材の種類によって必要なメンテナンスなどが異なるため、見分け方を知っておくことも大切です。ここでは、外壁材の見分け方を解説します。
サイディング外壁の見分け方
サイディング外壁は、サイディングボードという板をつなぎ合わせているため、サイディングボードの間にコーキング材が施されています。
また、壁を叩くと軽い「コンコン」という音がするのも特徴です。
モルタル外壁の見分け方
モルタル外壁はつなぎ目がないことが最大の特徴といえるでしょう。つなぎ目があるモルタル外壁も存在しますが、基本的にサイディング外壁に見られるようなつなぎ目がありません。
つなぎ目といってもコーキングが打たれているわけではなく、くぼみになっています。
なお、モルタル外壁は仕上げに手塗りを行ったり、塗料を吹き付けたりするので、不均一で味のある仕上がりになるのもポイントです。
ALC外壁の見分け方
ALC外壁は、サイディング外壁と同様にコーキングによるつなぎ目があるのがポイントです。
ただ、ALCボードはサイディングボードよりも厚みがあるため、窓の位置が壁よりも奥に配置されています。サイディング外壁との違いは、窓の位置で確認するとわかりやすいでしょう。
タイル外壁の見分け方
ALC外壁は、サイディング外壁と同様にコーキングによるつなぎ目があるのがポイントです。
ただ、ALCボードはサイディングボードよりも厚みがあるため、窓の位置が壁よりも奥に配置されています。サイディング外壁との違いは、窓の位置で確認するとわかりやすいでしょう。
コンクリート外壁の見分け方
コンクリートは「打ちっぱなし」と呼ばれる方法で施工されるのが基本です。打ちっぱなしとはコンクリートの表面に色の付いた塗料などを塗るのではなく、素地がそのまま出ている状態のことです。
モルタル外壁は手塗りや塗装による仕上げが行われる一方、コンクリートは素地がむき出しになっているので見た目で判断しやすいでしょう。
また、コンクリート外壁はモルタルと同様につなぎ目がないのも特徴の一つです。
外壁材別!耐用年数とメンテナンス方法
先に解説した通り、外壁材の種類によって耐用年数が決められています。
種類 |
耐用年数 |
必要なメンテナンスとメンテナンス周期 |
窯業系サイディング |
30年 |
塗装・シーリング補修 7~10年 |
モルタル |
30年 |
塗装 5~10年 |
金属系サイディング |
40年 |
塗装・シーリング補修 10~15年 |
ALCボード |
60年 |
塗装・シーリング補修 10~15年 |
タイル |
40年 |
シーリングの補修など 10~15年 |
コンクリート |
60年 |
塗装 10~15年 |
外壁材の種類によって耐用年数が異なります。どの外壁材を選ぶか検討する際、つい初期費用に注目してしまいがちですが、耐用年数やどのようなメンテナンスをどのようなタイミングで行うべきか調べておくことが大切です。
たとえば、タイル外壁は初期費用が高いですが、メンテナンスコストを抑えやすいのが特徴です。モルタル外壁は短いスパンでメンテナンスが必要なので、初期費用がタイルより安くても、最終的にかかるコストが高くなる可能性もあるでしょう。
何年住む予定なのか、初期費用とメンテナンスコストのバランスはどうかなどを意識しておくと、失敗のない外壁材選びができるでしょう。
外壁の耐用年数は塗料や周辺環境によっても変わる
外壁材の多くは塗装が必要であり、どのような塗料を選ぶのかによっても耐用年数が左右されます。
今回解説している外壁材の中では、タイルを除く外壁材に塗装が必要です。
ただし、コンクリートはサイディングなどで使われる一般的な外壁塗装とは異なる塗料が使われるので、ここではサイディングやモルタル、ALCパネルなどに使われる塗料について解説します。
塗料の種類 |
耐用年数 |
シリコン塗料 |
10~15年 |
シリコン塗料・ラジカル制御抑制 |
12~16年 |
フッ素塗料 |
15~20年 |
無機塗料 |
15~25年 |
このように、塗料の種類によって耐用年数が大きく異なります。
基本的に外壁は外壁塗装で塗膜を形成し、雨風や紫外線による外壁材への直接的なダメージを軽減しています。ただ、塗料の効果は永久的なものではなく、塗料自体が劣化すると機能が失われ、外壁材が直接ダメ―ジを受けるようになります。
外壁材の耐用年数とは、あくまできちんとメンテナンスした場合に期待できる年数なので、外壁塗装などで定期的にメンテナンスしなければどんどん劣化が進みます。
外壁塗装で使用される塗料は種類によって期待できる耐用年数が異なるため、自宅の外壁に使用している塗料の耐用年数を目安に、メンテナンスを継続していくことが大切だといえるでしょう。
関連:屋根塗装・外壁塗装の塗料についての基礎知識
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今回は外壁材の種類ごとの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
外壁は美観を維持するほか、快適な室内空間を維持する役割を担っています。しかし、ひとえに外壁材といってもさまざまな種類があり、見た目や価格、耐用年数、メンテナンス性などが異なります。
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